ベトナムにおける商標異議申立手続
貿易および立法のグローバルな統合の潮流の中で、ベトナムは2005年知的財産法(IP法)を制定し、その中で異議申立てに関する規定が特に定められました。商標の模倣が増加する状況において、異議申立手続は商標審査を補完し、権利の不正取得(模倣)を目的とする商標出願に対する有効な行政的手段となっています。
1. ベトナムにおける商標出願に対する異議申立ての期限
ベトナムにおける商標出願に対する異議申立ての期限は、IP法により明確に規定されています。
ベトナムの商標制度によれば、商標出願が産業財産公報(Industrial Property Official Gazette)に公告された日から、商標登録証の付与決定日以前までの審査期間中、異議申立てはIPVNに提出しなければなりません。当該付与決定日後に提出された異議申立ては、IPVNにより受理されません。もっとも、現行実務上、出願人は審査の早期化(所定の9か月期間より短期)を申請し得るため、異議申立ての可能性がある場合には、可能な限り速やかに提出することに留意が必要です。
2. 要件
IP法に基づき、外国の異議申立人は、IPVNに対して異議申立てを直接行うことは認められておらず、ベトナムにおける適法な知的財産代理人に対し、所定の委任状(POA)原本により権限付与して当該手続を行わせなければなりません。もっとも、現行のベトナム実務においては、異議申立ての提出時に委任状の写しによる提出が認められる場合があり、原本は後日提出することが可能です。ただし、IPVNは、委任状原本が提出され、かつ方式要件がすべて充足されるまで、当該異議申立てを審理対象として取り扱いません。
第三者が法人(会社又は法人格を有する組織)であり、当該法人の管理下にある法人印を有する場合、委任状は権限ある者が署名した上で法人印を押印する必要があります。法人印が利用できない場合は、署名のみで受理されます。追加の公証又は領事認証は不要です。
3. ベトナムにおける商標異議申立手続
異議申立ては書面により行う必要があり、添付する立証資料(ある場合)については、その出所を明示しなければなりません。
異議申立ては、当該商標出願の実体審査の段階において審理されます。
原則として、当方の異議申立てが受理された日から1か月以内(実務上は2~4か月に延長されることがあります)に、IPVNは異議内容を検討し、その内容を出願人に送付することがあり、出願人に対して概ね1か月の意見提出期間を付与します。出願人からの回答が提出された場合、IPVNはこれを異議申立人に通知し、異議申立人に対して1か月の応答・意見提出期間を付与します。
場合によっては、IPVNが異議内容のみで結論が明白であると判断したとき、異議内容を出願人に送付することなく、異議の検討に基づいて結論を示すことがあります。また、必要に応じ、両当事者の申立てにより、IPVNが異議申立人と出願人との協議(面談)を設定し、争点を明確化することもあり得ます。
当事者双方から提出された証拠を総合的に検討した上で、IPVNは異議を認容するか否かの決定を行います。
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