ベトナムにおける意匠登録

他の知的財産権と同様に、意匠は、権利者が登録を取得した国においてのみ有効です。ベトナム知的財産法(IP法)第6条第3項(a)(「知的財産権の発生および成立の根拠」)は、次のとおり規定しています。
[産業財産権は、以下のとおり成立する:(a) ……意匠……に係る産業財産権は、本法に定める登録手続に従い、権限ある国家機関が保護証(保護タイトル)を付与する旨の決定を行うこと、又はベトナム社会主義共和国が加盟する国際条約に基づく国際登録の承認を根拠として成立する。]
ベトナム国外での保護を希望する場合には、当該国又は地域の知的財産庁に対して別途登録を行う必要があります。

ベトナムはパリ条約の締約国であるため、ベトナム出願人は、他の法域において対応出願を行うための6か月の条約優先期間を享受できます。実務上は、最初の出願日から6か月以内に他国へ出願すると、当該他国出願の出願日はベトナムにおける出願日と同一とみなされ、介在期間中に同一又は類似の出願を行った第三者よりも先行する地位を確保できます。

意匠出願に先立ち、IPVNのウェブサイト上のオンライン意匠データベースを通じて、既存意匠の調査を行うことができます。これにより、当該意匠が既に第三者により登録されていないかを確認する一助となります。

もっとも、IPVNは当該データベースをオンライン提供しているものの、出願前に当該意匠の登録可能性について判断・助言を行うことはありません。そのため、意匠出願前に登録可能性を検討する目的で、IPVNにおいて業務を行う資格を有する知的財産代理人に依頼することを検討し得ます。

意匠が既に公然と開示されている場合、ベトナムにおいて意匠保護を受けるためには、最初の開示日から6か月以内に出願する必要があります。なお、ベトナムIP法第65条第4項により、意匠登録出願が公表日から6(六)か月以内に提出されることを条件として、意匠は以下の場合に公表されても新規性を失わないものとみなされます:(a) 本法第86条に定める登録を受ける権利を有する者の許諾なく、他人により公表された場合;(b) 本法第86条に定める登録を受ける権利を有する者により、学術発表の形式で公表された場合;(c) 本法第86条に定める登録を受ける権利を有する者により、ベトナム国内の国家展示会又は公式若しくは公式に承認された国際展示会において展示された場合。

出願の一部として、意匠を明確かつ詳細に示す図面又は写真、および当該出願において意匠を構成する要素の説明を提出する必要があります。また、出願の名称(タイトル)には、当該意匠が適用される物品を特定しなければなりません。

付与後については、ベトナムIP法第93条第4項により、意匠特許は付与日から有効となり、出願日から起算して5(五)年の末日まで有効であり、5(五)年ごとの2回の連続更新が可能です。

出願はIPVNに提出しなければなりません。IPVNは受領後、出願書類に対して(出願番号および出願日が記載された)受付印を押印します。意匠出願にあたっては、以下の書類を提出する必要があります。

  • 出願人および創作者の氏名(名称)、住所、国籍;
  • 意匠の正面、背面、左側面、右側面、上面、下面および斜視図の写真/図面(電子形式);
  • 優先権を主張する場合、認証済み優先権証明書類。優先権データ(出願番号、出願日、国名)は出願時に必要;
  • 出願人がベトナムにおける代理人としてKFを選任する旨の署名済み委任状;
  • 署名済み譲渡証書(以下の場合に限り要求されます):
    (i) 出願人が個人であるが創作者ではない場合;又は
    (ii) 出願人が組織であり、優先権出願に記載された出願人と同一ではない場合。