通達第16/2016/TT-BKHCN号に基づくベトナム特許手続の主な改正点(更新)

本稿は、2018年1月以降に開始された、IPVN(ベトナム知的財産庁)による特許手続に関する主要な改正点を要約することを目的とします。

ベトナムにおける特許手続に関する新規定は、2018年1月15日に施行されました。これらの改正は、近時の動向に沿ってベトナムの知的財産制度を整合させることを目的とするものです。以下は、ベトナム科学技術省による通達第16/2016/TT-BKHCN号に示されたガイドラインに基づく主な変更点です。


1. PCT国内段階への期限後移行が認められなくなった点

2018年1月15日以降を期限日とする出願については、31か月期限後の6か月以内におけるベトナムでのPCT国内段階への期限後移行は、もはや認められません。本改正により、出願人が代理人に対して行う出願指示は、31か月期限より十分前に提供されるべきであり、ベトナム国内段階移行時に提出が必要となる明細書のベトナム語翻訳を準備するための十分な期間を確保する必要があります。

もっとも、IPVNは、新たに実施された通達において、31か月期限が2018年1月15日より前に到来している一方で、従前の6か月猶予期間を適用した場合の37か月期限が2018年1月15日以降に到来するPCT出願について、経過措置(移行規定)を示していません。この類型の出願について、ベトナムにおける期限後の国内段階移行申請が認められるか否かは不明確です。IPVNから当該点に関する明確化が近く示される見込みです。


2. 発明に関する安全保障(秘密)規制

2010年12月31日付政令第122/2010/ND-CP号(以下「政令122」といいます。)第23条(b)は、ベトナムの組織又は個人による発明、又はベトナム国内で創作された発明(ベトナム人又は外国人によるものを含む。)については、海外の特許庁へ出願する前に、まずベトナムにおいて最初に出願しなければならない旨を定めています。当該発明に関する特許出願は、ベトナムにおける出願から6か月経過後において、秘密保護の対象ではないと判断された場合に限り、他国でも出願することができます。

出願人は、ベトナムでの先行出願に加え、海外出願のための許可を取得しなければなりません。第23条(b)はまた、海外出願は、秘密発明の保護を認める法令・規則を有する法域においてのみ許容される旨を規定しています。

新通達の規定により、IPVNは、政令122に規定される安全保障(秘密)管理規制に違反した特許出願を拒絶することができるものとされています。本改正を踏まえ、ベトナム発明の保護機会を失うリスクを回避するため、出願人は、先行出願に関する上記要件を遵守することが推奨されます。


3. IPVNからの公式通知(オフィスアクション)に対する応答期限の変更

新通達は、IPVNが発行するオフィスアクションに記載された論点又は拒絶理由に対応するため、出願人により長い準備期間を付与しています。方式審査通知に対する応答期限は、従来の1か月から2か月へ改定されました(延長は1回に限り可能で、延長期間は2か月)。また、実体審査通知に対する応答期限は、従来の2か月から3か月へ改定されました(延長は1回に限り可能で、延長期間は3か月)。

さらに、特許付与の意思通知の発行後における付与手数料の納付期限は、従来の1か月から3か月へ改定されました(延長は1回に限り可能で、延長期間は3か月)。期間延長申請に関連する必要手数料は、いずれも当初の応答期限が満了する前に納付しなければなりません。